涙道ライブ手術 in エストニア
- akemiiwasaki
- 2 日前
- 読了時間: 4分
2026年6月、エストニアで開催された「第15回国際涙道・ドライアイ学会(ISD-DE)」に参加してきました。
今回私は、日本で行っているELDR(涙管チューブ挿入術)のライブ手術を担当する大役をいただきました。
ライブ手術とは、実際の手術の様子をエストニアの病院から、学会会場へリアルタイムで中継し、世界中の専門医に見ていただく特別な企画です。
4か月にわたる準備
ELDRは、日本では行われていますが、ヨーロッパではまだ行われていない治療法です。
そのため、学会の数か月前からエストニアの先生方と何度も打ち合わせを行い、日本から手術器械を運ぶ準備も進めました。忘れ物をしそうなのが、何より心配でした(笑)。
さらに心配だったのは、欧米の方と日本人では顔の骨格が異なることです。涙道内視鏡は非常に繊細な器械なので、骨格の違いによって見え方や操作性が変わることがあります。
「世界中の涙道専門医が見ている前で、満足してもらえる良い手術をお見せできるだろうか?」
そんな不安を抱えながら準備を続けました。
英語の練習と緊張の日々
ライブ手術では、手術をしながら会場からの質問に英語で答えなければなりません。
手術中に起こりうるさまざまな状況を想定し、英語で説明する練習を繰り返しました。
英語の先生とのレッスンに加え、自宅でも英語で独り言を言い続ける毎日(笑)
最後は声帯結節ができてしまうほどで、自分でも驚きました。
今振り返ると笑い話ですが、学会前の2週間は食事の味がしないほど緊張していました。
エストニアで感じた温かい歓迎
そんな中、エストニアに到着すると、学会長のPalumaa先生が自ら空港まで迎えに来てくださいました。
その笑顔を見た瞬間、不思議と緊張がほぐれ、「きっと大丈夫」と思えるようになりました。

日本チームで挑んだライブ手術
当初は1例の予定でしたが、最終的には前日に2例、当日に2例の手術を行うことになりました。
そこで、日頃から信頼している愛媛大学の鎌尾先生にも協力をお願いし、さらにいつも助手を務めてくれている眞鍋先生にも参加してもらいました。
エストニアの先生方と、日本から参加した3人のチームで手術に臨みました。

手術が終わりホッとした写真です。
本番当日
当日はマイクとヘッドセットを装着し、会場の先生方とやり取りしながら手術を進めました。
始まるまでは緊張していましたが、いざ手術が始まると、手は自然といつも通りに動いてくれました。
会場の様子は見えませんでしたが、後から「内視鏡画像もよく見えていた」「とても分かりやすかった」と多くの先生方から声をかけていただき、本当に安心しました。

ライブの様子
日本が育ててきた涙道内視鏡
涙道内視鏡は、日本の先生方が長年研究・開発し、発展させてきた技術です。
25年以上にわたり、多くの先生方が学会発表や論文を通じてその有用性を世界へ発信してきました。
今回のライブ手術は、そうした日本の先人たちが積み上げてきた努力の延長線上にあるものです。
私はその成果を世界の先生方にお見せする役目をいただいたのだと思っています。
手術後、多くの海外の先生方から
「私もやってみたい」
「とても興味深い手術だった」
という言葉をいただきました。
日本で発展してきた涙道内視鏡治療が、世界へ広がっていく可能性を感じ、とても嬉しく思いました。

チームJapan: 日本から参加した先生方と、涙道内視鏡をいつも応援してくれているシンガポールのGanga先生、学会長のPalumaa先生ご夫婦と!
おわりに
本当は「平気でしたよ」と涼しい顔をしたいところですが……
正直なところ、今回は本当に頑張りました(笑)。しかもへとへとです・・。
それでも、このような貴重な機会をいただき、多くの先生方や関係者の皆さまに支えていただいたことに心から感謝しています。
これからも患者さんにより良い涙道治療を届けられるよう、学び続けていきたいと思います。
※クリニックは、少し長くお休みをいただき、ご迷惑をおかけしました。今後も学会などで、時々お休みがありますので、休診のカレンダーをご確認ください。



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